制作・監督マチュー・アマルリック『Zorn』3部作 一挙上映!
アマルリックはゾーンに深く信頼された数少ない映画監督として、2010年から12年にわたり音楽制作の現場に密着し、知られざる彼の生の姿を貴重な映像に捉えてきた。サックスプレイヤー、作曲家、集団即興演奏のプロンプター、NYのライブハウスの芸術監督。多面的に活躍するゾーンが、ジョン・メデスキやマイク・パットン、ネイト・スミス、マーク・リボー、ヒカシューの巻上公一など、各国の名だたるアーティストと交流する姿も映されている。
2022年のアマルリック来日時に『Zorn III(2018–2022)』が東京と京都にて一夜限り上映されて絶賛を博し、『Zorn I(2010–2016)』『Zorn II(2016–2018)』は2023年11月東京での上映が日本初お披露目となった。
「ジョンとマチューは、感情や感覚に対する絶え間ない強迫観念、芸術に捧げるたゆまぬエネルギー、人生に対する飢餓感を通してつながっている。」(Patrick Holzapfel)と評される本作。音楽に対する激しい情熱と愛、そして誰よりも真摯な心を持つこの不世出の音楽家の、その表情、声、そしてその手から生み出される音楽を、ぜひ目撃してほしい。
| 仏 | 54分
集団即興演奏のプロンプターとして、そして陽気なサックスプレイヤーとして、またNYのライブハウスの芸術監督として多面的に活躍するジョン・ゾーン本人の姿を捉えたドキュメンタリー。ジョン・メデスキやマイク・パットン、ネイト・スミスとのライブや練習風景、NYのサウンドスタジオでジョンのレコーディングに飛び入り参加する本作の監督でもあるマチュー・アマルリック、日本の歌謡曲研究家としても知られたジョンの日本での足跡を辿るパートではヒカシューの巻上公一など、各国のアーティストとジョンの交流が多彩な音楽とともに描かれる。
| 仏 | 56分
ここでは主にジョンの多様な作曲作品の魅力が紹介される。彼はフリーミュージックやグラインドコア、弦楽四重奏やアルカイックな女声合唱まであらゆる音楽表現を自在に操り、そのどれにも縛られず軽やかに音楽の世界を飛翔する。詩のように挿入されるジョンの人生や哲学から、彼の音楽を構成する一端が垣間見える。ギタリストのマーク・リボーやジュリアン・ラージ、2022年にマッカーサー賞を受賞したモリイクエも登場する。
| 仏 | 78分
ピアニストのスティーブン・ゴスリングと、ソプラノ歌手バーバラ・ハンニガンの2人が、超絶技巧を必要とするジョンの新作歌曲に挑んでゆく過程をカメラが丹念に追う。自己のテクニックに行き詰まりを感じたバーバラの姿と、ジョンのジャズバンド仲間たちが野外で演奏している朗らかな表情が対照的に編集され、そこからジョンが生み出そうとしている新しい音楽の片鱗が見えてくるようだ。
伊那谷作戦 水谷浩章部隊 14名によるゾーン代表作“COBRA”
「John Zorn's COBRA」は、NY在住のサックス奏者・作曲家であるジョン・ゾーン氏による優れた現代曲です。10数名の演奏者が演奏に関する指示の書かれたカード、ハンドサイン等を用いてコミュニケーションを図りながら、即興的に音楽が作られていきます。ジャンル、音楽的ルーツや知識、国籍、言語を問わず、このルールさえ共有できれば、一緒に演奏することが出来ます。
2022年のアマルリック来日時に『Zorn III(2018–2022)』が東京と京都にて一夜限り上映されて絶賛を博し、『Zorn I(2010–2016)』『Zorn II(2016–2018)』は2023年11月東京での上映が日本初お披露目となった。
伊那には、クラシック、現代音楽、ジャズ、ポップス、民族音楽、伝統芸能、インディーからメージャーまで、あらゆる分野で活躍する音楽家達が続々と移住してきています。伊那の風土、優しい人々、優れた教育環境、音楽的な可能性など、様々な理由によるものでしょう。この地で生まれ育ち、世界的な音楽活動を経て伊那へ戻り、芸術振興に尽力されている方もいます。我々「伊那谷COBRA実行委員会」は、即興演奏を通じてそのような個性溢れる素晴らしいミュージシャンの方々と世代やジャンルを超え一緒に音楽を楽しめるような場を作りたいと願っています。今回のイベントでは、このような優れた楽曲を作ったジョン・ゾーン氏のドキュメンタリー映画を観ていただくと同時に、伊那谷の精鋭や近隣のミュージシャン、そしてゾーンと交流の深い世界的な即興演奏家の巻上公一、吉田野乃子を迎え、総勢14名でCOBRAを演奏します。
ギター
トランペット
ボーカル
パーカッション
ベース
ボーカル
ケンハモ、口琴、コンツォフカ
クラリネット
ピアノ
タブラ、自転車
トランペット
ベース
サックス
プロンプター
090–5705–7217
akaishi.shouten@gmail.com
(伊那市生涯学習センター 6階)
住所: 長野県伊那市荒井3500番地1
Comments
過去50年にわたり、彼の先人たちと後人たちのためにたゆまぬ努力を続けてきたジョン・ゾーンは、誠実さ、決断力、革新性の象徴であった。 これらの映画では、彼のエネルギーに触れることができる。
ジム・オルーク(音楽家)
この映画は大事な歴史の記録であるばかりでなく
強いエネルギーで私たちの人生に飛び込み問いかけてくる。
その問いは音楽や芸術の枠を超えている。
不確定性に溢れた日々の営みそのものへの問いかけでもあるような気がする。
石橋英子(音楽家)
これだけははっきり言える。ジョン・ゾーンの音楽がなければ、私の人生は全く違うものになっていたと思うし、彼の日本での活動がなければ、日本の音楽シーンは今とは全然違うものになっていたんじゃないかって。大袈裟でもなんでもなく、そのくらい彼の存在は私にとって大きい。この映画でジョンの音楽と出会い直すことは、自分自身の出発点を見つめ直すことでもあり、この先の未来をどう作って行くかの巨大な問いでもあると思っている。必見!
大友良英(音楽家)
ジョン・ゾーンは、驚くべき決断力で、たくさんの音楽家に道標を作る天才の中の天才である。ジョンが日本の音楽シーンに与えた影響は計り知れない。ぼくは彼と同時代に生きていることに感謝したい。
最愛の友人であるジョン・ゾーンの70才の誕生日におめでとうを言おう。
巻上公一(音楽家、詩人)